2.2 伝送メディアの特性
個々の伝送メディアの特性について述べる。
1) 無線放送放送の特性については、前項放送モードで述べたとおりである。具体的に、中短波および中波による船舶気象通報について述べる。いずれにしても、船舶気象通報のような単純な情報は、放送に適している。
? 中短波による船舶気象通報
詳細については、2章章末資料に掲載されている。27局の送信所から1局あたり1分30秒の放送時間が割り付けられており、1時間に1回放送されている。
中波と短波の性質を持つこの周波数は、昼間は約200kmのサービス範囲であるが、夜間は空間波の影響で多くの局を受信することができる。地域的あるいは季節的に雑音が多くなり、聞きづらくなることがある。受信可能な受信機は周波数の関係であまり多くない。
? 中波による船舶気象通報
詳細については、中波報告書に掲載されている。中波無線標識は常時電波を発射しており、標識符号の合間に気象情報を放送しているため、ほぼ常時受信することができる。サービス範囲は約200kmであり、夜間は空間波による他局の混信が発生することがある。
受信可能な受信機は周波数の関係であまり多くない。
2) VHF無線電話
無線電話により、陸上・船舶、船舶・船舶の通信が手軽に行え、装置は普通操舵室に設置されるので、迅速な呼び出し応答が可能である。船舶は通常呼び出し応答専用チャンネルを聴取している。通信チャンネルは限定されており、全船舶が共通に使用するので、通信輻輳時は通信が制限される。情報伝達は簡単明瞭なものでなければならない。
船舶局としての免許と無線従事者の免許が必要である。通信範囲は、局のアンテナ高や送信電力にもよるが、概ね60kmである。
3) 一般電話(船舶搭載)
電話はVHF無線電話と同様に、会話による細かい個別情報提供が可能である。音声メディアであることから情報量には限界がある。VHFのように無線局免許等は必要でなく陸上の何処とも接続可能であるが、電話料金がかかる。また、VHFのように通話内容が傍受されていないことから、精神的には気楽さがある。
4) テレホンサービス
利用者は、電話により手軽に常時サービスを受けることのできる便利なシステムである。これも音声メディアによる情報であることから、その情報は聴取して容易に理解できる単純で短いものに適している。
自動応答装置が自動的にサービスし、回線数はトラフィックに応じて決定される。情報
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